外国人技能実習生に年次有給休暇取得をさせる否か2020.06.01

はじめまして。

旭会グローバル協同組合です。

 

外国人技能実習生が、多く実習している実習実施者(外国人技能実習生を受入れている企業様)がある昨今、「何年も外国人技能実習生に携わっているけど、これってどうだったかな・・・」「外国人技能実習生を受入れ、人材育成の貢献をしたいけど、関係法令がよく分からないな・・・」と思われる方々の不安などを少しでも解消できればと思い、様々なテーマを基に綴っていければと考えております。

 

第一回目は、外国人技能実習生の年次有給休暇(以下、「有休」といいます)についてのテーマで解説いたします。

 

さて、実習実施者より「外国人技能実習生にも有休を取得させる必要があるのか」「外国人技能実習生にどれだけの有休を取得させなければならないのか」「外国人技能実習生にも有休を10日以上付与した場合、5日以上の日数を取得してもらう義務はあるのか」とお問い合わせをよくいただきますが、その詳細をご存じですか?

 

結論から申しますと、技能実習生は“労働基準法上は労働者(※注1)”ですから、日本人労働者同様、有休を付与しなければなりません。具体的には、技能実習生として雇入れた日(入国後講習、終了後)から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上を出勤していれば10日を付与、それから1年後(契約後1年6か月後)に同様8割以上の出勤があれば11日の年次有給休暇を付与しなければなりません。ポイントは日本人労働者と同じ扱いをしないといけないということです。日本人労働者には有休を好きなように与えて、外国人技能実習生の取得希望日だけを管理することも禁止されております。

 

もちろん、2019年4月1日に施行された年5日の年次有給休暇の取得義務(労働基準法 第39条7項)も技能実習生に該当します。同時期に入国した外国人技能実習生が、繁忙期に全員が有休の取得希望を出した場合、原則それを拒否することはできませんので、技能実習計画の進捗を把握し、有休を取得しやすい環境を作ることが最も大切です。

 

最後に、技能実習生の心身の疲労回復のために、できるだけ計画的に取得させることが望ましいとされておりますので、日ごろから、技能実習生と交流を図り、法律で義務化されている有給休暇取得の話などを伝えてあげてください。

 

※注1 技能実習制度は出身国において修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図り、自国へ技能・技術・知識を移転する制度ですが、実習中には日本人と同等以上の扱いを行うことが根本にあるので、実習実施者と外国人技能実習生は雇用契約を締結します。そのため、労働基準法上の労働者として、労働基準関係法令の適用を受ける必要があります。