技能実習中にサポートや指導する人は?~技能実習指導員~2021.01.04

 今回のテーマは前回に続いて“技能実習指導員”について解説していきます。

 

 技能実習責任者は統括的な役割を果たす役割でしたが、技能実習指導員は名前の通り外国人技能実習生へ「技能を指導する」ことが役割となります。主に、技能実習を行わせる事業所で外国人技能実習生に対して、直接指導を行い、技能実習の内容や実習計画通りに技能実習を遂行しているのかを確認していただきます。

 

技能実習指導員は、

  • 実習実施者又はその常勤の役員もしくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者
  • 修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有する者

まずはこの2つの条件を満たすことが必要です。

 

また、技能実習責任者同様、欠格事由に該当する者(禁固以上の刑に処せられ、その執行を終えた日から5年を経過していない者など)、過去5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者、未成年者はなることができません。

 

さて、技能実習指導員が留意する事項は以下の通りです。

 

・前述の通り、修得等する技能等について5年以上の経験を持つことが必要となります。これは、実習内容を充実させ、外国人技能実習生に対して十分に指導できるようにするために設けられています。なお、実習実施者における経験には限定されていないので、過去に就労していた他の機関での経験年数も含めることができます。

 

・複数の職種及び作業で技能実習を行わせる場合は、全ての職種及び作業において5年以上の経験を有することが必要となりますが、これが困難な場合は、職種及び作業ごとに異なる技能実習指導員を選任することも可能です。

 

・技能実習責任者は、実習実施場所で業務に従事していなくても選任できましたが、技能実習指導員は外国人技能実習生を直接指導する必要があることから、技能実習を行わせる事業所毎に選任しなければなりません。

 

・技能実習指導員の養成講習は義務ではありませんが、その講習を修了した者が望ましいと考えられており、人数枠の拡大や技能を熟達させるための3号認定申請で必要な優良要件適合申告書の加点要素となるため、外国人技能実習機構は受講をしていただくことを推奨しております。

 

 

 

 また、外国人技能実習生を適切に指導する観点から、外国人技能実習生の人数に対して、適切な技能実習指導員の数かどうかも確認が必要です。50人の外国人技能実習生が実習を行っている事業所に1名のみの技能実習指導員がおられた場合、適切な指導をしているとは考えにくいとされています。また、事業所や作業上、夜間に業務を行わせる場合も、技能実習指導員が1名だと適切な体制ではないと判断される場合があります。

 

 外国人技能実習生に、十分な技能や技術を修得してもらい、計画通りに実習内容を修得してもらうためにも、適切な監理を心がけましょう。