タイ人の名前の呼び方2021.07.15

タイの実習生を受け入れて、実習生の名前を呼ぶときにフルネームが長くて呼びにくい、覚えにくいとか思ったことがありませんか?また名前と名字の並び方も日本と逆になって何と呼べば良いか分からないときもありますよね。

 

実はタイ人は一般的にどれもあまり呼ばないのです。フルネームの代わりにタイ人はそれぞれ自分のニックネームがあります。

日本ではニックネームは愛称で使用しますが、タイ語ではニックネームは人の呼び方の習慣として親から付けてもらっています。

 

なぜ、タイ人はニックネームを一般的に使っているのか、実は昔からタイの人は苗字がなく、デーン、ジョイ、ミーなど簡単な呼び方を本名として使っていましたが、ラーマ6世の時代から苗字を使うように指示されるようになりました。(適用日:191371日)

それぞれの家族の苗字は他の家族と重ならないように法律で定められたため、苗字を付けるときはタイ語の言葉以外、梵語などの外来語の言葉を混ぜて苗字を付けるようになり、タイ人の名字が長くなりました。本名が長くなると、人を呼ぶことや覚えることが難しくなり、ニックネームを付けるようになりました。

 

ニックネームは一般的に使われていると言っても、あくまで会話の中やカジュアルな場面だけに使われています。公式の手続きには当然本名を使わなければなりません。

 

ニックネームの付け方について、ほとんど親が付けてくれるため、親の好みの呼び方で付けられています。例えば、以下のジャンルでニックネームを付けています。

・親の好きな果物:ソム(みかん)、チョンプー(ローズアップル)、テンモー(スイカ)など

・自然・天候:ファー(空)、フォン(雨)、パーユ(台風)など

・色:デーン(赤)、ダム(黒)、キアオ(緑)など

・人の特徴:ジョイ(ガリガリ)、トゥイヌイ(ぽっちゃり)、スアイ(美人、きれい)など

・本名の一部の言葉:ワルニーの「ニー」、クソンの「ソン」、サラーウットの「ウット」など

・親の好きな音:トイ、ティティ、オードなど

・外来語:オフ、アント、クリームなど

 

また、学校や職場でニックネームが重なったとき、その人の特徴を加えて呼ぶ場合もあります。

めがねのフォンさん ⇒ フォン ウェン(ウェン:めがね)

美人のフォンさん  ⇒ フォン スアイ(スアイ:美人)

 

現在、親が付けてもらったニックネームだけではなく、場合によって自分の好みのニックネームを付けて使っている人もいます。例えば、海外で留学や仕事をする人は自分のタイ語の名前ではなく、自分の名前に似たような英語の言葉や、フルネームのイニシャル又は好きな言葉でニックネームを付けたりします。例えば、ジェニー、P.K.、ケービンなどです。

 

ニックネームは以上のようにそれぞれありますが、覚えやすくて、簡単に呼べるのでタイの実習生にも本名ではなく、ニックネームを呼んであげたらいかがでしょうか。