外国人技能実習生の宿泊施設とは・・・①2020.06.08

“外国人技能実習生の年次有給休暇の対応”同様、実習実施者よりお問い合わせの多いテーマが、入国後講習を終え、配属した後の“外国人技能実習生が生活をする宿泊施設”についてです。

こちらについても、様々な厳守ポイントがありますので、留意事項を含めて、解説いたします。

 

外国人技能実習生が生活をする宿泊施設とは、“技能実習中に生活をする寮”のことです。技能実習生の待遇の基準では、「団体監理型技能実習に係るものである場合にあっては申請者又は監理団体が、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保していること。」(関係省令の規定規則第14条法第九条第九号より引用)と記されております。

すなわち、技能実習計画認定申請(初めの申請)時に、契約により宿泊施設を確保しておかなければなりません。

 

しかし、面接が終わり、本国や日本側での書類手続きを得て入国がするまでには、短くても半年、長ければ8ヶ月程度の時間を要することがあり、その間、空家賃が発生することは避けたいですよね。

もちろん、この空家賃分を外国人技能実習生に請求することはできません。

その場合は、確保予定の宿泊施設で申請を行うことはできますが、予定施設の住所及び見取り図が必須の提出物となっており、外国人技能実習生が入国し新たな宿泊施設が確定次第、速やかに変更届の提出が必要となっております。

 

宿泊施設には明確な基準があり、その中でも以下の項目を留意していただければ、外国人技能実習生が快適なプライベートを過ごせる宿泊施設となります。

 

1.消火設備があるか

2.寝室については、床の間や押し入れを除き、一人当たり4.5㎡(3畳程度)以上あるか

3.個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の採光面積を有する窓があるか

4.睡眠時間を異する2組以上の外国人技能実習生がいる場合は、寝室を別にできるか

(実習実施場所などの稼働時間の都合上、夜勤の交代制を導入する場合に必要です。)

5.宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の附属寄宿舎」に該当する場合は、寄宿舎規則の届出を行っているか

 

宿泊施設は外国人技能実習生がプライベートの大半の時間を過ごす場所になるため、細かな留意事項がありますが、3年間を有意義に終えるためには必要不可欠なものになります。十分に休息を取ることができ、滞りなく技能実習計画を遂行できるような宿泊施設が大切ですね。

 

私たち監理団体も宿泊施設には監査に行きますが、定期的に巡回をし、清掃の指導などを行っていただいている実習実施者様もございます。文化の違いで、料理の仕方や清掃の仕方が日本とかけ離れている点が多々見受けられますが、技能実習だけでなく、3年間で日本の“5S”を習得して帰国してもらえたら、これも国際貢献の一つかなと考えております。