外国人技能実習生の宿泊施設とは・・・③2020.06.22

『外国人技能実習生の宿泊施設等の生活環境の確認』が監理団体の監査項目の一つでもあり、外国人技能実習機構の実地調査でも宿泊施設の確認はされます。後者の調査では、巻き尺を使用し、適正な広さかを測られる方もいらっしゃいます。そのため、今回は多々ある留意事項のなかでも、最も大切だと思われる“適正な広さや人数・共有スペース”に着目し、解説いたします。

 

さて、適正な広さについては、前回も述べたように一人当たり4.5㎡(3帖程度)以上の寝室が必要となっております。一部屋6帖で2名の外国人技能実習生の入居が多く見受けられますが、寝室といっても、ただ単に寝るだけの場所ではなく、『プライバシーを確保し、安心してリラックスできる場所』という認識でご準備いただきたいです。

なお、1人当たり3帖程度以上が目安となっていますが、なるべく余裕があって清潔感がある部屋をご準備いただければ、外国人技能実習生のモチベーションの向上にも繋がります。

こちらの見取り図は当組合で実際に外国人技能実習生が生活している宿泊施設です。現在3名が生活をしております。一人一部屋を所有しており、プライバシーもしっかりと確保できています。

一人当たりの広さだけを見るとこちらの宿泊施設は、最高5名までの外国人技能 実習生が生活をすることが可能ですが、4名は一部屋に2名で生活することになります。制度上、問題はございませんが、3~5年間の実習を円満に修了するために、なるべくプライバシーを確保できる生活空間を準備してあげたいものです。

また、台所やお風呂、トイレなどはそれぞれ共有して使用いたしますので、一人当たりの広さが適していても、その他の共有スペースは人数と適当かという点も、大切なポイントとなってきます。

経験から申しますと、共有スペースはこちらの部屋の場合、3名だと十分に対応できますが、5名だとトイレとお風呂の数でトラブルが起きる可能性があります。朝の忙しい時間帯の トイレや、技能実習後のお風呂、自炊時間、女性だと洗面台の使用時間などがそれぞれ異なります・・・

短いようで長い3年間を他人と過ごすことは、想像以上にストレスが溜まりますので、トラブルになりそうなことは初めから回避しておくことをおすすめいたします。

 

様々な留意事項や細かな注意点がありますが、技能実習計画を円滑に行うためにも、心身ともにリフレッシュしてもらえるような理想的な宿泊施設を整えましょう。

“外国人技能実習生がどのような生活をしているのか”“家具家電に不具合がないか”“生活様式に不明な点がないか”などを生活指導員の方だけでなく他の従業員の方々も、日ごろの会話で都度、ご確認いただくと、信頼関係が生まれ、より充実した実習生活になりますよ。