外国人技能実習生にとってわかりやすい日本語とは?2020.07.16
外国人技能実習生の多くが母国で3か月~4か月日本語の勉強をしてきます。そして、日本へ入国後も1か月間日本語の勉強をします。
日本語を一から4か月~5か月勉強したとしても、決して日本語を流暢に話したり、聞いたりすることはできません。
せっかく一生懸命勉強してきた日本語であっても、外国人技能実習生が入国後、まず困るのは日本人が話す言葉が、母国で学んできた教科書に載っている日本語と違うことです。
例えば、配属後、自己紹介を終えた日本人の指導員と外国人実習生の会話の一場面を挙げると
家族は何人?
と聞くと伝わらないことがあります。
外国人技能実習生が学んできた日本語は
家族は何人ですか?
となります。
そこで、「やさしい日本語」を話すことが必要になってきます。
「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。
1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。その中には、日本語も英語も十分に理解できず必要な情報を受け取ることができない人もいました。
そこで、そうした人達が災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりです。(東京都オリンピック・パラリンピック準備局ホームページ引用)
外国人技能実習生だけではなく、日本に住む外国人は増加傾向にあります。
そのような背景を受け、出入国在留管理庁、文化庁監修で「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」をまとめようとしています。
法務省ホームページ「在留支援のためのやさしい日本語のガイドライン」に関する有識者会議(第3回)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri15_00022.html
ガイドラインでは、日本人にわかりやすい文章、外国人にもわかりやすい文章の違い等について説明がなされています。
外国人技能実習生も日本人が話す日本語に慣れることも大切ですが、日本人が外国人技能実習生の学んできた日本語に合わせて話をすることも大切です。
弊組合では、2018年8月6日に外国人技能実習生受入れ企業向けに一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)の方を講師として招き、外国人技能実習生と円滑にコミュニケーションをとるためのやさしい日本語について講義をしていただきました。
入国当初の外国人技能実習生に対しては、やみくもに勉強を頑張れというよりも日本語を母国語とする日本人が少し工夫をすることから円滑なコミュニケーションが図られることにもなると思います。