新しい技能実習の職種の追加について2020.07.17
2017年11月1日施行の技能実習法では、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため、技能実習制度の適正化に関する体制が強化されたのと同時に技能実習制度の拡充がなされました。
拡充されたことは、主に以下のことです。
①優良な監理団体等への実習期間の延長
3号技能実習の創設(技能実習期間 3年間→5年間)
②優良な監理団体等における受入れ人数枠の拡大
常勤職員数に応じた人数枠を倍増(最大5%まで→最大10%まで)
③対象職種の拡大
地域限定職種、企業独自の職種(社内検定の活用)、複数職種の実習、職種の随時追加
今回は、最近の職種の追加の動向について書いていきたいと思います。
技能実習制度運用要領では、移行対象職種・作業に新たな職種・作業を追加するためには。。。
関係業界内における合意と業所管省庁の同意を得た上で、当該職種・作業が同一の反復のみでないこと、送出国の実習ニーズに合致すること、技能等を評価できる技能実習生向けの技能検定等が整備されていること、といった要件を満たす必要があります。
これらの要件に適合するか否かについて、学識経験者と労使からなる専門家会議において検討が行われることになります。
とあります。
この厳しい過程を経て最近追加された職種は、
・ 農産物漬物製造職種・農産物漬物製造作業(2018年11月12日追加)
・ リネンサプライ職種・リネンサプライ仕上げ作業(2018年11月13日追加)
・ 医療・福祉施設給食製造職種・医療福祉施設給食製造作業(2018年11月16日追加)
・ コンクリート製品製造職種・コンクリート製品製造作業(2019年11月8日追加)
・ 宿泊職種・接客衛生管理作業(2020年2月25日追加)
があります。
様々な業界の職種が追加されたことが分かります。
また、現在追加に向けて調整中の職種は、
・ RPF製造職種・RPF製造作業
・ 漁船漁業職種・棒受網漁業
・ 非加熱性水産加工食品製造業職種・調理加工品製造及び生食用加工品製造
・ 鉄道施設保守整備職種・軌道保守整備作業
・ 空港グランドハンドリング職種・インフライトケータリング作業
・ 化粧品製造職種・仕上工程管理作業
・ ゴム製品製造職種・成形加工作業・押出し加工作業・混練り圧延加工作業・複合積層加工作業
があります。
追加に向けての専門家会議の議事録は、厚生労働省ホームページ「技能実習評価試験の整備に関する専門家会議」からご確認いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syokunou_346032.html
移行対象職種・作業に新たな職種・作業を追加する作業は、関係業界が中心となって行うため、監理団体は追加に向けての打合せに参画することができません。
日頃からの関係業界内での意見交換、協力が必要となります。
新たに移行対象職種・作業に追加されると類似の非移行対象職種・作業に係る1年職種での技能実習を実施中の場合、追加された移行対象職種・作業への変更認定を受けることにより、2号技能実習に移行する道が開かれます。
変更認定についての詳細は、外国人技能実習機構ホームページ「第2号技能実習の対象職種・作業の追加に伴う認定計画の変更について」をご確認ください。