外国人技能実習生に関係する法令③2020.08.31
今回のテーマも引き続き“外国人技能実習生に関係する法令について”です。
関係法令を遵守し、外国人技能実習生の労働条件の確保・改善に取り組んでいきましょう。
12.賃金台帳(労働基準法第108条)
賃金台帳は各事業場ごとに作成をし、3年間保管しなければいけません。
記載が必要な項目は、「氏名」「性別」「賃金計算期間」「労働日数」「労働時間数」「時間外労働時間数」「深夜労働時間数」「休日労働時間数」「基本給」「手当などの種類と額」「控除項目と額」となります。
13.解雇の予告(労働基準法第20条)
解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければなりません。有期労働契約により雇用されている外国人技能実習生は、やむを得ない事由がない限り、契約期間内に解雇することはできません。
やむを得ず解雇する場合は以下のことが必要です。
・少なくとも30日前までの予告
・30日前までの予告を行わないで解雇する場合は、解雇までの日数に応じた解雇予告手当の支払い
支払額=平均賃金×(30日-解雇予定日から解雇までの日数)
14.寄宿舎の設備及び安全衛生(労働基準法第96条)
事業の附属寄宿舎について、換気、採光などの必要な措置、その他健康、風紀などの必要な措置を取らなければなりません。
寄宿舎とは、共同生活(便所、炊事場、浴室などが共同で、一緒に食事をとるなど)を行っている実習実施者が用意したものが該当いたします。(該当するか判断に迷う場合は、事業所を管轄する労働基準監督署にご確認ください。)寄宿舎の場合は、規則を作成し、労働基準監督署へ届け出なければいけません。なお、居住する者の過半数を代表する同意書の添付が必要です。
健康や風紀などを守るためには、「警報装置を設置すること」「消火設備を設置すること」「寝室を2階以上に設ける場合は避難階段などを設けること」などが挙げられます。
外国人技能実習機構の立ち入り調査の際も、消火器の有無の確認をされることもありますので、労働基準法だけでなく、技能実習法としても必要なものとなっております。
外国人技能実習生は、労働基準法上の労働者として関係法令の適用を受ける義務があります。労働基準法違反になり処罰されることがあれば、認定の取消しをされることもありますので、わからないことがあれば、監理団体などにお問い合わせいただくことが大切です。