タイ文化「ローイクラトン」2020.10.23
昔から多くのタイの家族は川などの水の近くに暮らし、水を使って生活したり、農業をしたりしているため、水は生活に対してすごく大切なものだと思われています。
タイ人は生活ができるように水をくれている川の女神プラ・メー・コンカーを信じており、川の神様への感謝を表すために、旧暦12月(現在の10月又は11月)の満月の夜にバナナの木や葉などで作った灯篭の上に花、蝋燭、線香を飾って蓮華のランタンを作り、川に流して川の神様に感謝の意をささげています。この風習を「ローイクラトン」と言います。
「ローイクラトン」とは、綺麗に飾られたランタン「クラトン」を流す「ローイ」するという意味です。
「ローイクラトン」はいつからあったのか、明らかになっていませんが、大昔のスコータイ時代のノッパマートという女王様が初めてクラトンを作ったと伝えられています。
時代が変わって、ロークラトンはランタンを川に流すだけではなく、各地域で大きなお祭りが開催され、花火やアトラクション、そして「ミスノッパマート」というコンテスト(ミスコンテスト)も行われるようになりました。
現在のクラトンの材料はバナナの木だけではなく、プラスチックやパン、氷から作られたものもありますが、川の神様にお祈りするのにプラスチックのクラトンを使ったら、逆に川が汚くなり環境悪化になるため、あまり使われていません。環境に優しくするために川にいる魚が食べられるパンの材料や川に溶けられる氷の材料がよく使われています。
皆様もローイクラトン祭りに参加する機会がありましたら、川や環境に優しいクラトンを選んで、お祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか。