特定技能について2021.07.13

2019年4月に施行された改正出入国管理及び難民認定法により、新たな在留資格「特定技能」が創設されました。

これは、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる制度です。

 

 在留資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」がありますが、「特定技能2号」は“建設”及び“造船・舶用工業”の二分野のみが許可される資格となります(2021年7月現在)。

 

 当面の間、「特定技能2号」の在留資格での在留者がいないため、今回は「特定技能1号」の説明を行います。

 「特定技能1号」は特定産業分野(14分野)に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの通算5年間在留することができる資格です。知識や経験の両方を備えている必要はなく、技能の知識を証明できる資格を持っていれば、経験がなくても「特定技能1号」の在留資格申請には該当します。

なお、“技能水準”と“日本語能力水準(ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度を基本とし、業務上必要な日本語能力)”は、両方を満たしている必要があるため、それらは試験等で確認が必要とされていますが、技能実習2号を修了した外国人は試験等の免除が可能とされています。

 

例えば、外国人技能実習生の機械加工職種・普通旋盤作業で実習を行い、2号実習を修了したが日本の外食業の接客等に感銘を受け、そちらの業務に興味が湧き14分野の中の外食業の試験に合格した場合、そちらの合格証書を使用して、特定技能1号への申請を行うことができます。この場合、日本語能力水準は、2号実習を満了していることで試験等の免除となります。

 

 このように技能実習2号から移行する資格変更又は在留資格認定の申請を行うケースが多く、出入国在留管理庁が定期的に掲載している「各四半期末(3か月ごと)の特定技能1号在留外国人数」によると、特定技能外国人全人数22,567名のうち、技能実習ルートで特定技能外国人に移行した人数は19,092名となっており、全体の約84%を占めております(令和3年3月末現在)。

 やはり、技能実習で3年間もしくは5年間実習を行い、作業方法を理解ししているなど継続的に働かせたいと思われる実習実施者(所属機関)が多いのかなと考えます。

 

特定技能1号は登録支援機関の支援の対象となっています。当組合も登録支援機関に登録しておりますので、支援計画などのサポートをすることが可能です。

 

参考資料

特定技能在留外国人数の公表 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)