タイの文化「雨安居」について2020.09.29

タイは昔、インドから仏教を宣教され、現在に至っても大勢のタイ人が仏教を信じ、その習慣を大切にしています。その中で、今回ご紹介させて頂く「雨安居(うあんご)」という仏教の習慣があります。

 「雨安居」の季節は7月から10月にかけて、修行僧が所属しているお寺に安居(1か所に集まって修行すること)する季節と言われています。

なぜ安居するのかというと、梅雨の季節は農家が田んぼや畑をする季節のため、修行僧が村に伝教しに行くとき、農家の田んぼや畑を踏んでしまうと、困ることになるので、お寺に安居するような習慣があります。

また、一年で89か月ずっと伝教していて梅雨に入ったら、あまり外出ができないため修行僧の休む時期になり、お寺で仏道修行をすることができます。

 3か月間の安居をするのに、村の人が蝋燭や様々な生活用品を用意し、お寺に持って行き修行僧にお渡しします。

 近年は雨安居の最初日に蝋燭を大きくて奇麗な形を作ってトラックに乗せ、パレードのような感じで街の中に走ってみんなでお祝いするお祭りも開催されています。

 タイで一番有名な蝋燭パレードはウボンラチャターニー県に開催され、毎年たくさんの観光客がいらっしゃるのですごくにぎやかなお祭りです。

 

 10月には梅雨がそろそろ終わり、「出安居」という安居の終了日もあります。

 「出安居」の日には仏教徒が白ご飯を用意し、修行僧に僧供します。この習慣は「テーウォー・ローハナ」と言います。

 出安居の時期にはタイ・ラオスの国境川(メコーン川)に川の中から珍しい火の玉がたくさん上がってきて、空の中で消えます。この珍しい火の玉は川の中から自然に上がってきたため、川に住んでいる「ナーガ※」が出安居のお祝いするために火の玉を飛ばすと仏教徒が信じています。

 出安居の火の玉が見られる有名なところはノンカーイ県に開催され、毎年様々なところから観光客が見に行きます。

 

※ナーガ:インド神話に起源を持つ蛇の精霊あるいは七つの頭を持つ蛇神のこと。タイでは守護神とされる。