外国人技能実習生の雇用条件書の中身とは?2020.11.02

今回は、外国人技能実習生が実習を行うに当たり、締結する必要がある「雇用条件書の中身について」解説を行います。外国人技能実習生は労働者として、日本人労働者と同様に労働関係法令の適用を受けるよう保護されていますので、実習実施者との雇用締結が必要となっております。

 

 労働契約法4条2項では「労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。」と定めており、雇用契約書の作成が望ましいとされています。

 しかし、外国人技能実習制度上では、雇用契約書及び条件書の締結が必要であり、申請する際に写しが必須の提出書類となりますので、外国人技能実習生は実習実施者とそれらの締結を行います。

 

さて、雇用条件書の中身はどのようなものかと申しますと、日本人が就業するときと大きく異なる点はございませんが、外国人技能実習制度特有の項目は“宿泊施設に関する事項”というものです。外国人技能実習制度では、外国人技能実習生の宿泊施設には厳しいルールが設けられており、そちらを雇用条件書に明示することで、適正を管理しております。宿泊施設の所在地はもちろんのこと、面積、収容人数、一人当たりの居室の広さや負担する家賃を明示しております。

その他の項目は、雇用契約期間や就業場所、業務内容(職種・作業)、労働時間、賃金、退職に関する事項などが記載されています。

 

また、この雇用条件書は必ず母国語などで記載をし、対象の外国人技能実習生がきちんと理解できるものでなければなりません。雇用契約の際に、通訳を交えて、不安や不明なところがないか確認しながら、締結することが大切です。

特に、税金や雇用保険及び社会保険の保険料、労使協定に基づく控除項目等の取扱いについては、理解できるように説明をし、実際に支給する金額が明らかになるようにしなければいけません。

 

各項目に変更が生じた際も変更通知書などを締結し、外国人技能実習生に説明の上、同意を得て、実習実施者と外国人技能実習生双方で一部ずつ保管しておくと、後々のトラブルの回避にもなります。